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美濃加茂市里山再生プロジェクト 千年経っても変わらない風景を残す!「里山千年構想」
「里山千年構想」と「里山千年基本計画」
美濃加茂市では、昔からの山の姿を取り戻し、本当の里山の魅力を再生することをめざし、千年経っても変わらない風景を残す「里山千年構想」を策定しました。
里山は、人が自然に手を加えることで保たれてきました。「里山千年構想」では、美濃加茂市の自然がある空間を見直し、これからの新しい時代に向けた新しい提案をしていきます。
平成27年度には「里山千年構想」を基に「里山千年基本計画」を策定し、「里山千年構想」を実現するため、今後10年間に重点的に進めていくべき具体的な内容を定めました。(令和2年度に基本計画を改訂)
「里山千年構想」3つの柱
「里山千年構想」とは、失われた里山や資源を取り戻し、新しい技術も取り入れながら、未来永劫に変わらぬ美しいふるさとの風景を残していくための基本的な考え方を示したものです。
ここでめざす里山の姿とは、人の手が入らなくなったことで荒廃が進んできた美濃加茂市の里山を、昔の里山風景に再生・継続させながら、先進的な技術を取り入れ、里山の資源を生かす「新時代の里山」です。
その「新時代の里山」を提案し、人々が年間を通して訪れたくなる里山をめざし、「里山都市」としての美濃加茂市を全国に発信していきます。
里山整備
『孫子の代へ残したい里山』
荒廃した山林を計画的に整備をします。
持続的に整備が可能になるよう人材を育成します。
資源活用
『里山の樹木を価値あるものへ』
里山資源の発掘・有効活用
「美濃加茂市産材」の確立
里山活用
『里山を人が集う場所へ』
毎日のように通える里山へ
里山を学びの場へ
美濃加茂市の里山で遊ぼう・学ぼう(美濃加茂市の里山イベント)
美濃加茂市にある森林や里山で自然や昔の暮らしに触れるイベントを開催しています。
参加してもらった皆さんの声は、これからの里山づくりに生かしていく予定です。
プロジェクト主催イベント
森のようちえん
市内の里山をフィールドに子どもの思いを尊重し、自然の中でのびのびと活動する森のようちえんを開催しています。
募集は市広報などで行ってます。詳細は下記までおたずねください。
◎令和元年 ぎふ森のようちえんアワード受賞
問い合わせ 里山再生プロジェクト
農林課里山再生係 内線331
メールアドレス nousei@city.minokamo.lg.jp
Fax 27-3863
その他里山関連イベント
里山整備講座
市内の里山は、人の手が入らなくなったことで荒廃が進んでいます。
荒れた里山を利用できる場所に変えるために必要な森林整備の方法を、里山整備体験を通して学ぶ講座を開催しています。
年度単位で行われ、講座の内容は毎年異なりますので、詳しくは下記までお尋ねください。
問い合わせ
農林課里山再生係 内線331
メールアドレス nousei@city.minokamo.lg.jp
Fax 27-3863
「里山千年構想」の実現向けた活動
「里山千年構想」は、平成25年9月に美濃加茂市職員を中心に発足した「里山再生プロジェクト」メンバーが協議し策定しました。
この構想を実現するために、平成27年度から10年間の到達目標として「里山千年基本計画」を策定しました。
「里山千年基本計画」に伴う取り組み
里山整備
持続可能な里山整備の仕組み
荒廃した里山林をもう一度昔のような風景にするために整備をします。そのために今後は計画的に里山整備を行います。
また、多くの人々が里山に係わりをもつ機会を作ることで、山林所有者だけでなく、地域の手で維持管理をするという意識の向上を養い、持続可能な里山整備の仕組みを作りあげます。
活動の例
里山整備講座 里山整備に関心のある人を対象に、「里山整備講座」を開催し里山整備のノウハウを体験を通して学んでいます。地域住民や里山整備ボランティア等が協働して里山を維持管理する仕組みづくりができるよう、講座を通して里山整備の大切さを伝えつつ、受講後にも整備を行っていけるよう活動をしています。
企業の森活動 「企業との協働による森林づくり」事業として、平成27年10月30日に、楽天株式会社 と「森林づくりに関する協定書」 を締結 しました。美濃加茂市が掲げる「里山千年構想」 に基いた事業の1つである「森のようちえん」 を実施するために、みのかも健康の森付近の里山を、楽天 株式会社のご協力のもと整備を行い「楽天の森」 と名付け整備を行いました。(平成30年3月31日まで)
また、平成31年4月1日からは、豊田合成株式会社とも協定を締結、「樹守の里」(きもりのさと)として、山之上町地内にて企業の森活動が行われているほか、令和4年12月16日からは、株式会社デンソーワイズによる「デンソーワイズテックの森」、令和5年11月12日からは、社会医療法人厚生会による「CJIMCの森」などが実施されています。
企業の森とその周辺の里山
「楽天の森」での森のようちえん風景
森のさんぽ道
四季を五感で感じる里山
「森のさんぽ道」として森林浴をしながら里山を散策できるルートを検討しています。
森林整備が進むと、これまで雑草が繁茂し状態が悪化していた昔の山道などが徐々に歩きやすい道に変化してきています。そのため、里山整備を計画的に進め、その環境を維持管理することで里山に多くの人が訪れ気軽にウォーキングなどが楽しめるコースを設置していきます。
取り組みの例
清流の国ぎふ森林・環境税を活用し、令和2年・3年に米田白山の遊歩道を整備しました。
清流の国ぎふ森林・環境税を活用し、令和4年にの三和町地内に遊歩道(通称:三和富士山道)を整備しました。
里山資源
里山資源の有効活用
里山の価値をもう一度見直し、里山林を資源の供給源としての価値ある財産と考え、その活用について検討していきます。「地山地消」の持続が可能な里山の姿を目指します。
まずは、美濃加茂市北部に群生しているアベマキを「美濃加茂市産材」にするため活動を開始しています。
取り組みの例
『エコプロ2016』において、現在制作中のアベマキ製品を紹介してきました!展示したアベマキ製品はイス、テーブル、フローリング、器、木琴、名刺入れ、時計、ペン、炭、薪です。アベマキ製品は、なかなか作っているところがないそうで、来場者のみなさまは興味を持ってアベマキ製品の温もりある手触りを感じていました。美濃加茂市では有害鳥獣対策として始まった里山整備、この整備で産出されたアベマキを製品化していきたいと考えています。アベマキ製品のための整備ではなく、暮らしを守る整備から産出されるアベマキを使って製品化します。アベマキ製品が生まれることは、美濃加茂市内のどこかの里山が整備されたことになります。
『アベマキ地域材プロジェクト』アベマキを地域材として活用する1つとして、「地域の木を地域の人たちが地域のこども達の食器をつくる」ことを目指し、アベマキ地域材プロジェクトのアベマキ椀制作ワークショップを開催しました。
『アベマキ学校机プロジェクト』[PDFファイル/797KB]美濃加茂市北部に群生しているアベマキを使い、地元の小学校で生徒達が毎日触れる学校机の天板を製作します。生徒達は5年生の時にアベマキの伐倒現場を見学し、地元の山にある木がどのように伐採され倒れるのか、自分の目と耳で直接体験します。伐倒されたアベマキは製材、乾燥され天板に加工されます。6年生になった時、天板に加工する一部を体験します。こうやって出来上がった天板は加工を手伝った6年生から翌年入学してくる新1年生に贈られます。このプロジェクトは、岐阜県森林文化アカデミー、可茂森林組合、丸七ヒダ川ウッド、美濃加茂市が中心となり、山之上小学校で取り組んでいます。
また、令和3年度からは、アベマキの突板を用いた天板を伊深小学校、三和小学校導入、取り組みをスタートしました。
アベマキ学校机で学ぶ山之上小学校児童
こども
こども達の笑顔があふれる里山
整備後の里山で「森のようちえん」や「自然体験学習」などを開催し、里山でのさまざまな体験を通して自然を愛しみ、大切にする心が育ち、この里山をいつまでも大切に守ってくれるような大人に育っていくよう体験を通したこども達の場を提供します。
取り組みの例
森のようちえん 遊具など作られたものがない里山の中で、こども達が自分達で考えながら遊びをつくりだしています。こども達の思考力や想像力が育まれ、また里山の中で過ごすことによって里山を大切にすることを学ぶ場にもしています。
やぎさん
やぎさんのいる里山
現在、美濃加茂市ではやぎさんの力を借りて循環型の除草を行っている場所があります。この取り組みでは除草費用や二酸化炭素の排出量の削減だけでなく、やぎさんが草を食べている姿が癒しの風景となっています。
そんなやぎさんのいる里山の風景を大切にし、やぎさんとのふれあいを通じて地域間、世代間の交流を深めていきます。
取り組みの例
平成記念公園北部未利用地内では、提携した大学の生徒や地元企業の協力を得て「やぎの植生調査研究」に基づいた草刈りでのやぎの活用の検討を行いました。また「やぎさんとのふれあいイベント」を通して、こども達にやぎさんの生態の学びやふれあい等やぎさんを身近に感じることができる場を提供しています。
フルーツの森
フルーツが実る里山の風景
美濃加茂市には山之上の梨や堂上蜂屋柿など全国に誇れるものがあります。それを広くPRするため梨を使ったスイーツの製作や「堂上蜂屋柿の里」をつくる計画を検討しています。
里山体験活動拠点
里山を丸ごと楽しむ交流拠点
「みのかも健康の森」をさまざまな事業展開の活動拠点として活用します。この施設は活動の中心であると同時に、森のさんぽ道の起点、里山の魅力を体験できる場として広く活用していきます。
取り組みの例
みのかも健康の森の管理棟内に「薪ストーブ」を設置しました!!美濃加茂市長と可茂森林組合長さんと火入れを行いました。薪ストーブの炎はとても癒されます。是非みなさまも薪ストーブの炎に癒されてください。
設置後は薪ストーブの良さや管理方法の周知、活用方法の実演を行うほか、薪割り体験や薪の販売なども行っています。
(設置イメージ)
(活動イメージ)
その他の取り組み
アベマキ学校机プロジェクト
市内の里山に多い広葉樹「アベマキ」を学校机の天板として活用し、その伐倒現場や製造工程を小学校の授業に取り入れることで、環境教育にも役立てるプロジェクトです。
このプロジェクトでは、小学校5・6年生が樹木の伐倒、天板の製造を見学・体験して、6年生が完成させたものを、翌年度入学してくる1年生の机として利用するサイクルを作ります。これにより、旧来の里山活用の基本であった循環型のシステムの新しい形の創造を目指します。
受賞歴
- ウッドデザイン賞2015 林野庁長官賞
- 第12回キッズデザイン賞(2018) 審査委員長特別賞
- ウッドデザイン賞2022 ソーシャルデザイン賞入賞
活動の例
山之上小学校4年生 木工教室
日時 平成28年11月20日(日曜日)
美濃加茂市山之上小学校4年生の生徒が、里山の中で採れたどんぐりや松ぼっくりなどで作品を制作しました。間伐材のヒノキの台座を使って生徒達の完成でいろんな作品が出来ました。可茂森林組合から、台座として活用したヒノキはなぜ間伐しなくてはいけないのかを学びました。
活動の例
山之上小学校5年生 青空木工教室
日時 平成27年11月11日(水曜日)
美濃加茂市立山之上小学校5年生の生徒が次回にアベマキ伐採現場の見学を行う里山の中で、里山で採集した木や枝、どんぐり、松ぼっくりを使って「青空木工教室」を行いました。
- 可茂森林組合から里山の素晴らしさや木の種類などのお話を聞きました。
- 生徒達はアベマキの台座に思い思いの芸術作品を作り上げてくれました。
山之上小学校6年生 アベマキ天板製作見学・体験
日時:平成28年2月1日(月曜日) 場所:岐阜県森林文化アカデミー
美濃市にある岐阜県森林文化アカデミーの工房にて、6年生の生徒33人がアベマキの天板作りを体験しました。生徒達は、アカデミーの和田講師から、1本の木から加工された板になるまでの過程を実物を見たり触れたりしながら学び、その後木工用の接着剤での貼り合わせ、面取りやサンドペーパーでの磨きなどを体験しました。
山之上小学校5年生 アベマキ伐倒現場見学
日時:平成28年2月5日(金曜日)午前中 場所:平成記念公園北部未利用地
山之上町内の里山で、山之上小学校5年生の生徒達がアベマキの伐倒現場を見学しました。生徒達は大きな音をたてて倒れるアベマキを見て驚いていました。このアベマキは彼らが6年生になった時に新1年生に贈る「アベマキ学校机」天板の材料になる1つです。倒れたアベマキを前に、森林組合さんに、薪になる部分、製材になる部分、そしてしいたけの原木にできる部分の説明を受け、その後、アベマキの原木にしいたけの菌うちを行いました。1年後、彼らがアベマキの学校机天板を製作します!
山之上小学校6年生から新一年生への贈呈式
日時:平成28年2月12日(金曜日)午前中 場所:山之上小学校
新1年生が「1日体験入学」に山之上小学校を訪れた時に、6年生から新1年生に「アベマキ学校机」を贈呈しました。6年生の生徒達は、5年生の時の伐倒体験で感じたことから、2月1日に製作を手伝った天板製作のことや丸太から製材になることを、分かりやすく新1年生に説明していました。 4月から新1年生がこの学校机で勉強します。今から楽しみですね。
活動の例
平成26年6月
アベマキ学校机プロジェクト始動
岐阜県森林文化アカデミーによるアベマキの伐採が行われました。(市内の里山資源の活用方法についての研究が始められた)
・この時伐採されたアベマキは、製材・乾燥後加工され、12月に天板の試作品の材料として利用されました。
平成26年12月
アベマキ天板誕生
岐阜県森林文化アカデミーの「エコプロダクツ2014」出展(アベマキの天板が紹介された)
- 東京都江東区有明の東京ビッグサイトで開催された環境展示会「エコプロダクツ2014」に、岐阜県森林文化アカデミーが出展。出展内容は「里山林の課題とそれに対する解決策の提案を「コナラ」を例に授業で取り組んだ内容を展示発表する」というもので、この展示の中で、「みのかものアベマキ」を使って試作した学校机の天板が紹介されました。
平成27年1月
山之上小学校 アベマキ伐倒現場見学
日時 平成27年1月9日(金曜日)
美濃加茂市立山之上小学校5年生の生徒がアベマキの伐倒現場を見学
- 岐阜県森林文化アカデミーの和田先生から、「アベマキで作る学校机」についてお話を聞きました。
- 可茂森林組合の作業員による、アベマキの伐倒作業を見学しました。樹高20mのアベマキを切り倒す迫力に歓声が上がりました。
- 和田先生の指導により、アベマキの樹皮の皮むき作業を体験しました。
プロジェクト提案・協力:岐阜県森林文化アカデミー、可茂森林組合、丸七ヒダ川ウッド、山之上・伊深・三和小学校、合同会社ツバキラボ
里山に関するご質問・ご意見をお寄せください。