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築100年の古民家 旧櫻井邸
1.旧櫻井邸(さくらいてい)の概要
美濃加茂市伊深町にある旧櫻井邸は、村長、郡会議員を務めた故櫻井福太郎氏が肥料米販売店兼住居として大正5年から8年にかけて建築されました。
敷地
1,279.07平方メートル
建物
- 母屋 木造瓦葺2階建 1階244.43平方メートル 2階137.35平方メートル 計381.78平方メートル
- その他 土蔵2棟、浴室、便所あり
意匠等
1階座敷と仏間の欄間には、富士山と松、そして橋と船をモチーフに彫刻が施されており、中廊下の小窓には凝った意匠の下地窓がみられる。さらに、座敷と仏間の中廊下側の小窓には紅葉の葉が埋め込まれた独特な意匠になっている。
2階の茶室、座敷の室内意匠にも高い装飾性が確認できる。
竣工年代が確定できる大正時代の建物は、市内でも珍しく、施工に関与した職人の多くが判明している点も重要であり、装飾性にも優れている。
よって、櫻井邸は伊深地区のおける貴重な近代和風建築といえる。
登録有形文化財的価値
櫻井邸は、平成22年に岐阜高等専門学校 清水教諭に調査を依頼し、上記【意匠等】のような調査結果をいただいている。また、建物の特徴や凝った意匠が施されており、登録はされていないものの登録有形文化財と同等の価値、要件を満たしている建物といえる。
2.伊深地区の紹介
里山の風景
旧櫻井邸のある美濃加茂市伊深町(人口は約1200人)は、奈良時代の古文書にも存在が記されている歴史ある集落で、田園と家並みが一体となった景観は、日本の原風景を感じさせます。
正眼寺
伊深は、臨済宗妙心寺派を開山した関山無相大師が修行した地で、のちに建てられた正眼寺は妙心寺の「奥の院」と呼ばれる厳しい修行道場で、一流スポーツ選手や政財界の著名人も数多く訪れています。
禅を通じて、自分の内面を見つめ、呼吸や心の整え方を学び、これからの生き方を見つめます。
旧伊深村役場庁舎(国登録有形文化財)
昭和11年建築の旧伊深村役場庁舎は、平成29年度に大規模修繕を行い、建築当時の外観を復原しました。室内は、早稲田大学古谷誠章教授と同研修室が住民ワークショップの結果を反映した居心地の良いカフェスペースを実現し、市北部の新たな玄関口として活用されています。